2023年市場予想 6つのシナリオとリスク削減アセットアロケーション

かふか予想

 利上げがクライマックスに迫り、今後の金利動向が資産価値にとって重要な局面である。私は、金利維持、あるいは、やや減少をメインシナリオとして予想している。この場合、ドル建て資産がJPYで考えると維持ないしは下落するので、ゴールドやJPYに投資妙味がある。

 金利とは独立して米企業利益のパターン分けを行った。というのも、アナリスト予想では増益だが、アノマリー煽り系Youtuberでは利益マイナス成長(”リセッション”)の予想が強く、確度の高いコンセンサスが無いからだ。企業利益は米金利操作によって操作可能な金利水準となっており、インフレの収まりもほぼ予想されるなか、企業利益の大幅減リスクはFRB金利操作によって回避することも考えられる。また、私は、2022年3月のマイナス成長、6月のマイナス成長から2022年9月のプラス成長を重要視しており、下落の局面は過ぎているのではないかと思われる。総合的に鑑みて、利益微増をメインシナリオと予想している。

 

アセット

 これらのシナリオにおいて、いずれも高金利な水準かつ、大幅利益成長を見込める段階でもないことから、優良企業がもっとも優位なのではないかと考えている。

 また、高金利であることや金利のピークアウトも見込めるようになってきたため、数十年ぶりのゴールドや債券にも分散するポートフォリオが安全性が高いのではないかと考えている。

 

 

以下、シナリオの説明。

シナリオ6分類

シナリオ1(増益、金利維持)

 実現可能性:高?

 →アナリストのコンセンサスは、S&P500のEarningsが210(2022)→220(2023)と増益シナリオ。FF金利はCPIという住宅価格の6か月遅れの指標を重視しているので、3月~9月くらい維持する可能性が高い。

 アセットアロケーション

 →株式フルインベストが優位

 

シナリオ2(増益、金利低下)

 実現可能性:低?

 →CPIが"急落"し、急いで金利下げるパターン

 アセットアロケーション

 →株式も、債券もゴールドもUSD建てで爆上げするが、JPYも上昇する。利下げの水準次第だが、米債券/JPYはマイナス側か。円建てでみれば、ゴールドがわかりやすい上昇。米国株もPER上げて円建てでも十分なプラスか。半導体関連やレバナスが輝く。

 →→株式とゴールドが優位。

 

シナリオ3(利益維持、金利維持)

 実現可能性:高

 →利益成長が止まってしまうパターン。

 アセットアロケーション

 →優良株と債券が優位。

 

シナリオ4(利益維持、金利低下)

 実現可能性:中

 →短期投資家やアノマリー煽り系Youtuberにみられる意見。やや中庸的なシナリオ。

 アセットアロケーション

 →優良株とゴールドが優位。市場動向次第ではBTCに妙味も?

 

シナリオ5(利益低下、金利維持)

 実現可能性:低い

 →利益が下がったまま金利維持するのは、反発が強く、政治的に難しいか。

 アセットアロケーション

 →優良株、債券が優位。

 

シナリオ6(利益低下、金利低下)

 実現可能性:中

 →短期投資家やアノマリー煽り系Youtuberのコンセンサスか。彼らはなんで株式だけずっとやっているのだろうか。

 アセットアロケーション

 →ゴールドや日本円が優位か。市場動向次第ではBTCに妙味も?

 

 

その他の独立事象

・中露中東リスクと石油価格(米外交)

 中東と米国の対立が深まっている。高い石油価格維持がメインシナリオか。外交、選挙、支持率など予想が難しい事象の影響が強い。

半導体産業(CHIPS法)

 中国と米国の対立が深まっている。SOX指数採用米国半導体企業にとっては追い風か。半導体産業はまだまだ高い利益を出しており、需要も高いので、コスト構造や設備投資環境改善すれば、爆上げする可能性も考えられる。不確実性が高く、優良企業投資には安定感には劣るか。

ヨーロッパのインフレとエネルギー/財政政策

 米国はターミナルレートが見えてきて、企業利益も高い水準を維持している。一方で、ヨーロッパはインフレの終わりがまだまだ見えておらず、利益構造も悪化し、GDPマイナス懸念も強まり、家計のエネルギー価格負担も重たい。政府当局は難しい判断の多い局面であり、不確実性が高い。